協力か、裏切りか。燃やすか、乗るか。
童話ボードゲーム『ジャックたちと豆の木レース』徹底解説
童話『ジャックと豆の木』。
豆を植え、木を伸ばし、雲の上の宝を目指す――
そんなロマンあふれる物語が、疑心暗鬼と破壊に満ちたレースゲームになったとしたら?
それが今回紹介する
『ジャックたちと豆の木レース』です。
このゲーム、見た目は童話。
中身は――
協力と裏切りが常に隣り合わせの、ハラハラ系レースゲーム。
🎥 動画の内容要約
プレイヤーはそれぞれ「豆」からスタートし、
カードを使って豆の木を伸ばし、雲の上を目指します。
- 他人の木に相乗りして楽をする
- わざと変な方向に伸ばして進路を妨害する
- 斧で切る
- たいまつで燃やす
――そう、直接攻撃ありです。
「みんなで繋げば早い」
「でも、誰か一人の裏切りで全てが崩れる」
この協力するほど危険になる構造こそが、
本作最大の魅力です。
📖 ルール解説
1. ゲームの目的
豆の木を伸ばして雲の上に到達し、宝(得点)を集めること。
最終的に、もっとも多くの得点を獲得したプレイヤーが勝者となります。
2. 手番でやること
- カードを1枚出す
- もしくはパスする
たったこれだけ。
だからこそ、1枚の選択が重い。
3. カードの種類と効果
🌿 木カード(移動・配置)
- 数字(1〜3)の分だけコマを進める
- 他人の木につなげて配置可能
🛠 アイテムカード(特殊効果)
- 🪓 オノ:木カードを1枚破壊
- 🚿 ジョウロ:連続配置+たいまつ防御
- 🔥 たいまつ:豆からつながる全ての木を焼却
4. 雲の上への到達(イベント)
- 🐥 鶏(金の卵):3点獲得
- 🎻 ハープ:5点獲得&即終了
- 👹 巨人:悪夢の始まり
5. 巨人が出たらどうなる?
巨人とつながっている木の上にいるプレイヤーは、
全員スタート(豆)へ逆戻り。
さらに、つながりを切れなければ脱落。
協力の道は、一瞬で全員を巻き込む罠になります。
6. 得点計算(ボーナス)
宝(雲)から豆(地面)まで道がつながっているプレイヤーは、
🕊 青い鳥の数だけ追加得点を獲得します。
感想
ジャックと豆の木。
誰もが知っている、あまりにも有名な童話だ。
豆を植え、
木を伸ばし、
雲の上の宝を目指す――
本来なら、夢と冒険の物語のはずだった。
だが、このゲームはこう名乗る。
『ジャックたちと豆の木レース』。
……たち?
誰だ、その「たち」は。
考えるまでもない。
全員がジャックなのだ。
このテーブルに座った瞬間から、
あなたもジャック。
わたしもジャック。
隣にいるその人も、もちろんジャック。
ここは物語の再現ではない。
真のジャックを選別するための競技場だ。
豆の木は、ただ伸ばせばいいわけじゃない。
誰かと繋げば速くなる。
誰かに乗れば楽ができる。
だが、繋がった瞬間――
その木は、全員の命綱になる。
そして命綱というものは、
切るためにある。
斧。
たいまつ。
冷静に考えてほしい。
人が登っている木に、
その二つを向けるゲームが、
他にあるだろうか。
ない。
これはもう童話ではない。
現場検証案件だ。
燃やした側は笑う。
切られた側も、次の瞬間には
同じカードを引き、
同じ目をする。
ここでは、
裏切りは戦術であり、正解であり、マナーですらある。
怖いのは、巨人じゃない。
人だ。
このゲームが競わせていたのは、
足の速さでも、運でもない。
どれだけ躊躇なく、人を切れるか。
豆の木より高く伸びるのは、疑念だ。
そして今日もまた、どこかのテーブルで、
新しいジャックが生まれている。





