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  • 切った瞬間、空気まで美味しい。 伝説の家政婦・タサン志麻さん直伝 サーモンのパイ包み焼き(サーモン・ウェリントン)完全ガイド

    切った瞬間、空気まで美味しい。 伝説の家政婦・タサン志麻さん直伝 サーモンのパイ包み焼き(サーモン・ウェリントン)完全ガイド

    伝説の家政婦・タサン志麻さん直伝
    特別な日に作りたい「サーモンのパイ包み焼き(サーモン・ウェリントン)」

    クリスマスや記念日など、「今日はちゃんとご馳走を作りたい」日にぴったりな一皿。
    今回紹介するのは、伝説の家政婦・タサン志麻さんによる
    サーモンのパイ包み焼き(サーモン・ウェリントン)です。

    見た目はとても豪華ですが、工程は意外と理にかなっていて、
    ポイントさえ押さえれば家庭でも十分再現可能。
    中身のアレンジも自由なので、「ご褒美料理」としてもおすすめです。

    作り方動画

    材料(1台分)

    メイン

    • サーモン(刺身用サク):厚みのあるもの(約170g)
    • 冷凍パイシート:正方形1枚(長方形なら2枚)
    • 卵黄:1個分(接着・ツヤ出し用)

    フィリング(中身)

    • ほうれん草:1束
    • きのこ:しいたけ・しめじ・マッシュルームなど
    • 油・バター:適量(きのこ炒め用)

    魚介のムース(美味しさの決め手)

    • 白身魚の刺身(鯛など):100g
    • ホタテの刺身:90g前後
    • 卵白:1個分
    • 生クリーム:30g(なくても可)
    • 塩:ふたつまみ(約2g)
    • コショウ:少々

    ※手軽に作りたい場合は、はんぺんで代用してもOKとのこと。

    ソース

    ブールブランソース(白ワイン・酢・バター・レモン汁)がおすすめ

    作り方

    ① 下準備(とにかく水分を抜く)

    ここが一番重要な工程です。

    ほうれん草

    • 洗ってざく切り
    • 耐熱容器に入れて600Wで約2分加熱
    • 流水で冷やし、これでもかというほど強く絞る

    きのこ

    • 細かく刻む
    • フライパンで油を熱し、塩ひとつまみを振って炒める
    • 水分が出ても止めず、水気が完全に飛ぶまで炒める
    • バットに広げて冷ます

    ② 魚介のムースを作る

    • 白身魚とホタテを適当な大きさに切る
    • ミキサー(またはフードプロセッサー)に入れる
    • 卵白、生クリーム、塩、コショウを加え、なめらかになるまで撹拌

    ※ミキサーがなければ
    包丁で叩く → すり鉢で練る
    または はんぺんを袋で揉み潰す 方法でもOK。

    ③ サーモンの下処理

    • 表面の水分をキッチンペーパーで拭く
    • 両面に塩・コショウをややしっかりめに振る

    ④ パイシートで包む

    • オーブンを200℃に予熱
    • 解凍したパイシートの上半分を麺棒で少し伸ばす
    • 縁に水で溶いた卵黄を塗る(接着剤)

    具材を重ねる順番

    1. ほうれん草
    2. きのこ
    3. サーモン
    4. 魚介のムース(サーモンを覆うように)
    • 上半分のパイをかぶせ、空気を抜きながら密着
    • フォークの背で縁を押さえてしっかり閉じる

    ⑤ 焼成

    • 天板にオーブンシートを敷き、パイをのせる
    • 表面に卵黄を塗る(ツヤ出し)
    • 包丁の背で模様を描き、中央に空気穴を1箇所あける
    • 200℃で40〜45分焼く

    ※焼き色が強い場合はアルミホイルをかぶせて調整

    ⑥ 仕上げ

    • 焼き上がり後、すぐ切らずに少し休ませる
    • 切り分け、ソースを添えて完成

    感想

    パイ包みと聞いて、人は「生地で包む料理」を想像する。
    だが、よく考えてほしい。
    パイ生地とは、何層にも折り重ねられたバターの集合体だ。
    つまりこれは、生地で包んでいるのではない。
    バターで、世界を包んでいる。

    この料理を前にすると、
    「豊潤」という言葉が、急に現実味を帯びてくる。
    香り。
    脂。
    温度。
    そして、期待。
    すべてが、オーブンの中で静かに熟成されていく。

    中に収められているのは、主役のサーモンだけではない。
    ほうれん草の青さ。
    きのこの凝縮された旨味。
    そして魚介のムース。
    これがまた、ただの詰め物ではない。
    サーモンを守る鎧であり、旨味を増幅させる装置だ。

    切る前から、すでに料理は語りかけてくる。
    「焦るな」と。
    「まだだ」と。
    そしてナイフを入れた、その瞬間――
    パイが割れ、香りが解放される。
    閉じ込められていた海と森が、一気に立ち上がる。

    サーモンのホイル焼きを作ったことがある人なら、
    あの「包んだからこそ生まれる香り」を知っているだろう。
    この料理も同じだ。
    いや、正確には――それ以上。
    パイという装甲が、香りを逃がさない牢獄となり、
    切り分けた瞬間、そのすべてを解き放つ。

    そして、そこに添えられるのがブールブラン。
    フランスを代表する、酸とバターのソース。
    これをかけた瞬間、料理は家庭料理の枠を静かに越える。
    ――もう、後戻りはできない。

    サーモン・ウェリントン。
    手間は、かかる。
    だがその手間は、すべて味になる。
    そして何より――
    切った瞬間の空気まで、美味しい料理なのだ。

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