チェコの才能、ヤナ・シュヴェツォヴァが再び岩へ──キローニコで魅せた復活のボルダリング旅
チェコ出身のプロクライマー、ヤナ・シュヴェツォヴァ(Jana Švecová)。
その彼女が、スイスの名岩場・キローニコ(Cresciano/Klönico)でボルダリングに挑む様子を描いた今回の動画は、ただのクライミング記録ではなく、自然・挑戦・復活が見事に織り成されたドキュメンタリーのような一本です。
■ 冒頭の緊張感──石橋を渡るシーン
石橋を渡るシーンは、まるで決戦の入り口のような緊張感をまとっていた。
風に揺れる枝葉、遠くに広がるスイスの雄大な山々、そして静かに見守る動物たち――ヤギも猫も、まるで彼女の挑戦を見届けるかのようだ。
この瞬間、彼女が主人公であることは間違いない。しかし、ここに勝利の保証はない。手に汗握る緊張、胸を高鳴らせる高揚、そしてわずかな不安――そのすべてが、彼女の内側で渦巻いているのだろう。私には正確にはわからない。それでも、画面越しに伝わってくるのは、揺るぎない意志と挑戦への情熱だ。
■ クライマーとしての原点に戻る
岩を登る彼女の姿は、まさに圧巻。手足が岩を探り、指先で微細な凹凸を感じ取り、一手一手を積み重ねるその姿に、思わず息を止めて見入ってしまう。登り切った瞬間に漏れる安堵のため息は、勝利の証であり、挑戦を乗り越えた者だけが味わえる至高の瞬間だ。
正直、こういう映像は何度でも見返したくなる。岩の硬質な美しさ、自然の息吹、そして挑戦する人間の強さ――そのすべてが織りなす魂を震わせる瞬間が散りばめられているからだ。
■ キローニコの自然と動物たちに迎えられて
動画は、ヤナが壮大な山々にかかる石橋を渡る美しいシーンから始まります。
スイスらしい深い森、澄んだ空気、そして道中に現れるヤギや猫たち。まるで“自然が彼女を歓迎している”かのような、穏やかで心が満たされる導入です。
■ 「Walker on Earth (8A/V11)」をついに完登
動画のハイライトは、難度 8A(V11) の名課題 「Walker on Earth」 への挑戦。
岩肌を丁寧に読み解き、力と技術を繊細に噛み合わせながら、ヤナは見事に完登を果たします。
静かに喜びを噛み締めるその表情は、見ている側の胸にもぐっと刺さる瞬間です。
■ 怪我からの復帰──“再スタート”としてのキローニコ
動画の最後で語られたのは、これまで投稿が止まっていた理由。
ヤナはこの夏、
- 右薬指の滑車断裂
- 左中指の部分断裂
という重めの指の怪我と向き合っていました。
リハビリに専念し、ようやく調子が戻り始めた今、今回のキローニコ滞在では「高難度よりも基礎の回復」を目的として、様々な課題に触れているとのこと。
焦らず、でも確実に前へ進む姿に、多くのクライマーが共感するはずです。
■ 岩と向き合うひとりのクライマーの物語
見る者の心を揺さぶるのは、単なる技術や結果ではありません。
挑戦する勇気、恐れを超える覚悟、そして諦めない精神。
ヤナ・シュヴェツォヴァが教えてくれるのは、勝利そのものではなく、挑戦するその過程にこそ価値があるということです。
この動画は、再び岩の前に立つ喜び、怪我を乗り越える勇気、自然の中で挑戦する尊さ――そんなヤナの“今”を刻んだ一本です。
クライミング好きはもちろん、挑戦している人の背中をそっと押してくれるような、優しいエネルギーを持った作品になっています。
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