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  • もしもFF7がファミコンで発売されていたら ――8bitで描かれる「ニブルヘイムの約束」

    もしもFF7がファミコンで発売されていたら ――8bitで描かれる「ニブルヘイムの約束」

    もしもFF7がファミコンで発売されていたら
    ――8bitで蘇る「ニブルヘイムの約束」

    最近のゲームは、やたらと派手で、やたらとリアルだ。
    光は眩しく、世界は実写に近づき、感情は演出で「説明」される。

    別にそれを嫌っているわけではない。
    むしろ、そのリアリティに感動することの方が多い。これは事実だ。

    だが、この動画を見つけた瞬間、
    私は派手さではなく、レトロという静けさに強く惹かれた。


    ファミコン時代に存在しなかったFF7というファンタジー

    今回紹介するのは、
    『ファイナルファンタジーVII』が、もしもファミリーコンピュータ(8bit機)で発売されていたら?
    という想定で制作された、ファンメイドのデメイク映像だ。

    描かれているのは、物語の核心に触れる回想シーン、
    「ニブルヘイムの給水塔での約束」

    そもそもFF7は、ファミコン全盛期には存在していない。
    だからこの映像は、過去の再現ではない。

    存在しなかった歴史を、あたかも思い出すかのように描く――一種のファンタジーなのだ。


    オープニングと酒場の会話

    動画は、黒背景にシンプルな文字で表示される
    「FINAL FANTASY 7」のタイトル画面から始まる。

    場面は酒場へ。
    ファミコン風のドット絵で描かれたティファが、
    客として訪れたクラウドに静かに声をかける。

    「おかえりなさい」

    会話は淡々としている。
    ティファは、ソルジャーになったクラウドを誇りに思いながらも、
    遠くへ行ってしまうことへの不安を滲ませる。

    一方、クラウドは言う。

    「ふつうさ」

    強がり。
    虚勢。
    そして、まだ自分の感情を言葉にできない若さ。

    派手な演出はない。
    表情差分もない。
    それでも分かってしまう。

    ――この二人は、もう同じ場所に立っていない。


    星空と給水塔 ――8bitで描かれる「約束」

    暗転の後、画面いっぱいに広がる星空。
    限られた色数で描かれた夜空は、
    なぜか現代のどんな高精細グラフィックよりも、遠く、深く感じられる。

    画面が下へとパンし、現れるのはニブルヘイムの給水塔。
    その上には、回想の中のクラウドとティファが並んで座っている。

    そして表示される、たった一行。

    「ほら、村の給水塔、覚えてる?」

    FF7を知っている人間なら、この言葉の重さが分かるはずだ。
    それは思い出話ではない。

    約束であり、後悔であり、守れなかった未来そのものだ。


    感想:これはデメイクではない、「記憶の再構築」だ

    派手さはない。
    感情を煽ることもしない。
    それなのに、不思議と記憶に結びつく。

    これはきっと、
    昔の記憶が、レトロというフィルターを通して美化されているからなのだと思う。

    レトロとは、懐古ではない。
    時間に削られ、必要な部分だけが残った「記憶の形」だ。

    この動画は、
    FF7という物語の感情を、最小単位まで削ぎ落とし、
    8bitという器に丁寧に注ぎ込んでいる。

    もし本当に、ファミコン時代にFF7が存在していたなら。

    この星空は。
    この給水塔は。
    この一行のセリフは。

    きっと今も、
    誰かの心のセーブデータに、静かに残り続けていただろう。


    動画はこちら


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