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  • コンフィという選択 ― 油に沈めるという贅沢

    コンフィという選択 ― 油に沈めるという贅沢


    フライパンで作る本格コンフィ|骨付き鶏もも肉を“油に沈める”という選択

    フランス料理の定番「コンフィ」。
    通常はオーブンで時間をかけて作る料理ですが、今回はフライパンや鍋を使って直火で作る方法を紹介します。
    大量の油に肉を沈める――その行為は少し怖く見えるかもしれません。
    ですが、その先に待っているのは、想像を裏切る美味しさです。


    感想

    コンフィ。
    油の中で、静かに、ただひたすら煮る料理。

    日本人にとって、この調理法はどこか異質だ。
    焼くでもない。揚げるでもない。
    ましてや、煮るのに水を使わない。

    大量の油。
    健康、カロリー、罪悪感——
    いくつもの言葉が頭をよぎり、無意識に一歩引いてしまう。
    現代的な食卓の価値観から見れば、この料理は少し背徳的にすら見える。

    だが——美味しい。

    低温の油の中で、肉は暴れない。
    沸騰もしない。
    ただ、ゆっくりと、自分の中にある旨味だけを抱きしめていく。

    水で煮れば、旨味は外へ逃げる。
    だが油は奪わない。
    包み込み、閉じ込め、濃縮する。

    噛んだ瞬間に広がるのは、味ではなく密度。
    繊維はほどけ、抗えないほど柔らかいのに、
    中身だけは決して逃げない。

    にんにくとハーブの香りが油に溶け、油が肉に溶け、
    獣臭さはきれいに消え去る。
    水で煮た料理とは比べものにならない、
    圧のある香りが食欲を正面から殴ってくる。

    さらに、この料理は保存がきく。
    油の中に漬けたまま、時間を止める。
    食べたいときに取り出し、温め、皮を焼くだけ。

    ちなみに——
    この技法を覚えると、シーチキンを自作することすら可能になる。

    油は敵ではない。
    恐怖でもない。
    それは、時間と旨味を閉じ込めるための器だ。


    骨付き鶏もも肉のコンフィ|作り方まとめ

    材料

    • 骨付き鶏もも肉:適量(手羽元・手羽先・豚肉でも可)
    • 塩:肉の重量の約1.5%
    • 胡椒:適量
    • ニンニク:スライス
    • ハーブ:タイム、ローリエなど(あれば)
    • サラダ油:肉がひたひたに浸かる量

    作り方

    1. 肉の水気をしっかり拭き取り、塩・胡椒・ニンニク・ハーブを揉み込む。
    2. 保存袋に入れ、空気を抜いて冷蔵庫で一晩寝かせる。
    3. 鍋に肉を並べ、油をひたひたに注ぐ。
    4. 強火で温度を上げ、泡が出たら弱火にして約1時間加熱。
    5. 火を止め、油の中で冷ます。
    6. 食べる直前に皮目をフライパンで焼いて仕上げる。

    参考動画


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