自分で決めた目標に溺れる――
ボードゲーム『ロストシーズ(Lost Seas)』レビュー
ご提示いただいた動画は、ボードゲーム『ロストシーズ(Lost Seas)』の紹介動画です。
このゲームの魅力は非常にシンプルで、同時に残酷です。
「目標は自分で決める。達成できなくても、責任は全部自分」
動画では「シゴデキ(仕事ができる)上司」が、
自ら設定した高すぎる勝利条件に苦しみ、
「これは責任取れへんって!」と嘆きながらプレイする姿が描かれています。
その様子が、このゲームの本質を余すところなく伝えてくれます。
ゲームの概要
- ジャンル:タイル配置・パズル
- プレイ人数:1人以上
- プレイ時間:短め
4×4のマスに「海タイル」を配置し、
縦列・横列それぞれに設定した条件を達成して得点を獲得します。
最大の特徴は、
得点条件そのものをプレイヤー自身が決めるという点です。
ルール解説
① 準備フェーズ(最重要)
ゲーム開始前、各プレイヤーに黄色い目標タイル8枚が配られます。
これらを自分のボードの
- 上側:縦列4列分
- 左側:横列4列分
に自由に配置します。
目標タイルは両面仕様で、
- 易しい条件(低得点)
- 難しい条件(高得点)
を自分の判断で選択します。
ただし、
ゲーム開始後、この配置は一切変更できません。
② ゲームの進行
- 場にある海タイルを1枚選ぶ
- 自分の4×4ボードの空いているマスに配置する
これを繰り返し、16マスすべてが埋まったらゲーム終了です。
③ 得点計算
ゲーム終了後、縦列・横列ごとに、
設定した目標条件を満たしているかを確認します。
条件の例:
- 「タコがちょうど3つで5点」
- 「船1つにつき1点」
- 「タコと岩がそれぞれ3つずつ必要」
条件を満たせば得点。
満たせなければ、容赦なく0点です。
感想
4×4。
それが、この世界のすべて。
ステージは、最初から用意されていない。
誰かに与えられることもない。
ステージを作るのは、自分自身だ。
静かに配られる目標タイル。
並べるだけの、たった数分。
それなのに、不思議と気が大きくなる。
「これくらい、いける」
「むしろ簡単すぎないか?」
気付けば誰もが、高得点の幻を追い始める。
安全策は、なぜか格好悪く見える。
だが――
それは、はっきりとした罠だ。
ゲームが始まった瞬間、空気が変わる。
欲しいタイルは来ない。
来たタイルは、噛み合わない。
さっきまで“理想”だった条件が、
今は“重荷”として盤面にのしかかる。
確かに、このステージは自分で作った。
誰にも強制されていない。
誰のせいにもできない。
それなのに――
あまりにも、難しすぎる。
もし過去の自分に出会えたなら、
伝えたい言葉は、きっとこうだ。
「安全に行け」
でも、このゲームをやっている最中、
頭に浮かぶ言葉は、それだけだった。
高すぎる目標を置いたのは誰か。
欲張った判断をしたのは誰か。
修正できない配置を選んだのは誰か。
全部、自分。
ロストシーズは、
自分で作った理想に、溺れるゲームだ。
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